Loading

NEWS

ColleCard「IT25・50」が@DIMEに取り上げられました

ITの歴史を百人一首形式で覚えられるカードゲーム「ColleCard IT25・50」で遊んでみた

https://dime.jp/genre/592538/

本を読まない時代への危機感から生まれたカードゲーム

毎年1、2回、所用で上京して電車に乗るたびに感じる変化は、だんだんとネクタイを締めている人が減っていることと、本を開いている人が減っていることだ。「手持ち無沙汰でいるときは読書タイム」と決めている筆者以外の全員が、スマホでSNSやゲームをしている光景も珍しくなく、都下では焚書坑儒でもあったかと妄想の一つでもしたくなる。

(株)クリエイシオン代表取締役の高木利弘さんも、本を読まない人が増えていることに懸念を抱く1人だ。雑誌『WIRED』の初代編集長ケビィン・ケリー氏が2年前に、「俺はもう本は書かない、なぜなら俺の息子が俺の本を読もうとしないから」と言ったことに、高木さんは衝撃を受けたという。

高木さんは、「本に代わって知識・知恵を継承するメディアはまだ確立していない」と考え、そのつなぎ役としてゲームが1つの解になるのではないかとしている。

そうして、高木さんが作り出したカードゲームが8月に発売された。商品名は「ColleCard IT25・50」(ColleCard=コレカードと読む)といい、全部で108枚のカードからなる。

「ColleCard IT25・50」の中身

カードの内訳は、取り札が52枚、読み札が52枚、ジョーカー2枚に予備の白札が2枚。読み札を読み上げる読み手1名と、競技者が2~5名要る。遊び方は、取り札をトランプの七並べの終了時と同じように並べ、読み手が読んだ札に対応する札を取り合うというもの。

読み札には、例えば「マウス手にコンピュータ操作してみんなびっくり GUIってすごいんだ!」とあり、その下に解説文がある(裏面には英訳が載っている)。それに対応する取り札は、「mouse」と「ダグラス・エンゲルバート」となる。

読み札と取り札の1例

百人一首と違い、取り札には読み札の文章が書かれていないので、難易度は高い。クイズの回答を探す感覚だが、読み手は最後に「スペードの2」というふうに、両方の札の右上に記載のトランプのマークと番号を読み上げるため、最終的には誰でも取れるようにはなっている。

最後にいちばん多くの取り札を持っている人が勝者になるが、このゲームの真の目的は「全員が全カードを覚える」というもの。楽しみながら、ITの歴史を学ぶという趣向だ、

商品名に含まれる「IT25・50」とは、「IT革命25年史・50年史」のこと。「1993年に世界初のブラウザ”Mosaic”が登場してから2018年までのインターネット商用化25年史」と「1968年にD・エンゲルバートが”The Mother of All Demos”を行ってから2018年までのIT50年史」を意味する。そのため、「ColleCard IT25・50」を遊ぶことで、50年にわたるIT界のキーパーソンと彼らが作り出したものをざっくり知ることができる。

「ColleCard IT25・50」を実際に遊んでみての感想

実際に遊んでみて、面白くてためになるだろうか? 筆者は、休日を利用して仲間内でやってみた。

メンツは全員、IT業界とは縁遠い世界に置いており、その歴史にとても疎い。最初のうちは、びっしり並べられた取り札の上で目を泳がせるばかりであったが、やがて読み札の最初の単語が、取り札の中央にある単語と一緒であることに気づくと、展開が早くなった。

しまいには、誰もが出だしの一声しか記憶しないで争うようになったので、ゲーム本来の目的である「全員が全カードを覚える」から逸れたような雰囲気になった。

そこではじめから仕切り直し、ゲームの目的から逸脱せずによりエキサイティングなものとなるよう、以下のハウスルールを設けて再戦してみた。

・最初の単語は読み上げない。例えば、「アイフォーンで世界を大きく変えたアップル ジョナサン・アイプの革新的デザイン」は、「世界を大きく変えたアップル ジョナサン・アイプの革新的デザイン」となる。

・本文を読んでいる最中に取れば3点、解説文を読んでいる最中に取れば2点、トランプのマークと番号を読み上げてから取れば1点獲得。合計点で勝敗を決める。

「ColleCard IT25・50」対戦中の様子

この方式でやってみるとより白熱し、誰もがカードの文言を全体的に把握するようになった。ゲームの主目的から逸脱さえしなければ、いろいろとハウスルールを作って対戦してみるのもよいだろう。

「ColleCard IT25・50」の公式サイトでは、100人限定の特別価格となる2000円+送料300円で販売しており、近日中にはスマホアプリ版も登場する。さらに今後は、異業種企業と様々なコンテンツを共同開発し、「アクティブ・ラーニング教育の定番エデュテインメント・サービス、未来の教科書プラットフォームを目指す」そうで、この種のジャンルに関心のある人は、今度の展開を注視しておくべきだろう。

協力/高木利弘さん
株式会社クリエイシオン代表取締役。1986年、日本初のMacintosh専門誌『MACワールド日本版』を創刊。1987年に『MACLIFE』を創刊。以後、『Oracle Life』、『MEDIA FRONT』などPC・IT系雑誌を相次いで創刊。パーソナルコンピュータ、DTP、マルチメディア、インターネットなど情報技術の最新トレンドを紹介。パブリッシャーとしての経験を生かし、インターネット、マルチメディア関連のコンサルティング、プロデュース、セミナー、執筆活動を行う。

文/鈴木拓也(フリーライター兼ボードゲーム制作者)

PAGE TOP